彦根仏壇についてAbout Hikone Buddhist Altar

彦根仏壇について

350年の歴史を誇る伝統工芸

彦根市は琵琶湖のほとりにたたずむ井伊家三十五万石の旧城下町です。市内の中心には二重の堀に囲まれ、国宝の彦根城が三重白亜の天守閣を頂き、ほぼ昔の姿のまま彦根の象徴として雄姿を誇っています。市街地は江戸時代の城下町の風情がただよい、独特の町並と文化が息づいています。彦根仏壇は、歴史と伝統が息づく彦根の地で生まれ、育まれてきました。

その彦根仏壇の起源は徳川江戸時代中期とされ、武具、武器の製作に携わっていた塗師、指物師、錺(かざり)金具師などが平和産業としての仏壇製造に転向したのが始まりといわれています。彦根市のある湖東地域は古くから仏教の盛んな地でしたが、徳川時代には仏壇を設けることが一般化してきたことと彦根藩主の強力な庇護のもとで、問屋制家内工業の形態とこれに伴う分業組織を完成し、彦根の城下町と中山道とを結ぶ重要点である通称『七曲がり』で発展の基盤が形成されました。

現在では、七職と呼ばれる高度に専門化した職人が製作し、それぞれの工程を高い品質で手作業で仕上げています。釘を使わずに後から分解できる「ホゾ組み」の木地や、高度な技術と手間が必要な「木目出し塗り」の漆塗り、上品な輝きと重厚感がある「重押し(艶消し押し)」の金箔押しなどに特色が見られます。
蒔絵や金箔、錺金具をふんだんに取り入れた豪奢な4尺以上の大型仏壇が多く、耐久性にも優れた高級仏壇として全国的に高く評価されています。


彦根仏壇の製造工程

彦根仏壇の製造工程は、商部と呼ばれる産地問屋が組立てを担当し、工部七職と呼ばれる木地師・宮殿師・彫刻師・漆塗師・金箔押師・蒔絵師・錺金具師がそれぞれの工程を担当する分業制です。それぞれの職人が卓越した専門技術を持ち、高い品質に仕上げることができます。

詳しくは彦根仏壇組合 伝統工芸士会のウェブサイトをご参照ください。彦根仏壇の木地師・宮殿師・彫刻師・漆塗師・金箔押師・蒔絵師・錺金具師の伝統工芸士および各工程を動画などでご紹介しております。

彦根仏壇組合 伝統工芸士会のウェブサイトへ